わたなべさんの青いめがね

点訳ボランティア23年目です

我が点字の師匠

 点訳をする時、1ページずつ点訳したものをセルフチェックし、その後師匠に最終チェックをしてもらうのですが、1つの作品を一度に全部みてもらうのではなく、数ページに分けて毎月2回師匠に誤字・脱字・点の出具合とチェックしてもらうわけで
 毎回ブログにでてくる我が点字の師匠、今日はこの師匠のことを紹介しようと思います
 僕の師匠、僕が所属する点訳サークルの顧問。神田生まれ(僕と同じ江戸っ子)、女性。年は年配ということで・・・。全盲。クリスチャン。国語の知識に秀でていて、漢字、旧言葉、現代語と広く精通!旦那さんも盲だったが、7,8年前に他界。現在一人生活で、家事も自身でこなす!
 目が不自由なぶん、聴覚、嗅覚、触覚、味覚が鋭く、何年か前のこと、点訳のチェックをしてもらってる時、
 師匠・・「これ(僕が点訳したもの)トイレに持ちこんでた?」
 僕・・「ええ。(なぜわかったんだろ~)」
 師匠・・「用紙に匂いをかんじるよ」
 匂いといってもではないですよ。芳香剤の香りがすると師匠曰はく実はトイレで用を足しながらセルフチェックをしていたわけで。よく芳香剤の匂いを察知できたものだな~と驚いたことがありました!
 また別の時、
 師匠・・「これ(僕が点訳したもの)埃のたつ場所に置きっぱなしにしていた?」
 僕・・「たぶん・・・」
 自宅の部屋で点訳していて、机が窓際にあって窓を開けると風通しが良すぎるくらい風が入ってきて、それが外の埃を運んできて机のうえにうっすら埃がつもる様になる次第で、点字用紙は白色だから目で見ても埃がついてるかなんかわからない、気にもしてないというのもあるが・・・点字は触って読むもの。師匠が触読している際に用紙についた埃を、軽く手ではらう動作をするのです。微たる埃を指先に感じるようです。
 またまた別の時、偶然街中で会った時、その時僕は風邪で声の様子が少し変わっていて、皆は気づかなかったのに師匠だけは、
 「声がおかしいね。風邪?」と一言。
 師匠と同行していたガイドヘルパー(僕の知人)も全然気がつかず「あら、そう?」ってかんじ。
 私ら晴眼者じゃ気がつかない部分を、視覚以外の四感をおおいに駆使して周囲のことを察知して理解しているんだなと日々師匠に脱帽しています!

 「点字に表したいマイ・フェイバリット・ソング」2曲目♪今回は、
 
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 (訳)
 旅の途中で羅針盤キミに預けたら
 船は何度も荒海超えてOh・・・

 
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 (訳)
 旅の終わりがハッピーエンドならいいのに
 キミの顔色窺いながらOh・・・

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 (訳)
 旅の途中で羅針盤キミに預けたら
 船はゴールを目指して進むOh・・・