わたなべさんの青いめがね

点訳ボランティア22年目です

私なりに解説「七人の侍」またまたまたまたまたまたまた続き

 残り野武士は13騎。決戦の前夜、百姓たちは鋭気を養うために歌い、宴の如く振る舞う。男たちは家族と過ごしたりと明日をもわからない夜の時を送る。その中で、ひとつの愛が成就した。勝四郎と百姓の娘・志乃の恋。二人は初めは反発していた が、"反発は愛を生み出す種"徐々に芽生えていった。そして決戦の前夜に二人はつながった。しかしこの愛は互いの立場が違う許されぬ愛。志乃の父・万蔵は"娘をはずかしめられた"と怒りふためく。勘兵衛や周囲のとりなしで落ち着く万蔵、それに利吉の「愛し合った者どうしが一緒になったのだからいいだろうが!野武士に捕られたのよりはましだろうが!」この言葉で万蔵は二人を認めた。この愛の芽生えが明日の決戦にささやかな期待の兆しを与えたにちがいない。
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 そして決戦の日を迎えた。大雨が降り、泥の海のなか、死に物狂いに野武士に挑む。勘兵衛は弓で応戦、菊千代も刀を何本も折りながらも豪傑に戦う。頭目が小屋に隠れ、鉄砲をかまえる。頭目が放った凶弾が久蔵に命中した。久蔵は刀を副頭目に投げつけ、副頭目を倒し、自信も倒れた。三人目の侍、殉職。
 頭目が潜む小屋に迫る菊千代。小屋から弾が、菊千代の腹部に至近に命中した。地面に倒れるが、己に染み付いた確固たる気迫力と腕力をフルにさらけ出し、憎き頭目に向かっていく。「ウォアリャ~!」と最後の気合いを入れ自ら鼓舞し、刀に最後の力を集中させ、頭目を仕留めた。「ウアマァァ~」と悲鳴をあげ頭目は泥の海に沈むが、同時に菊千代も力尽き息絶えた。四人目の侍、殉職。「野武士は~」と我を失い右往左往する勝四郎。「もう野武士はおらん!」と恫喝する勘兵衛の声に号泣して返した。
 野武士を壊滅させ、村に平和が返ってきた。祭りの如く賑やかに田植えをする百姓たち。その姿。光景を見て、勘兵衛は言った。
 「勝ったのは百姓たちだ。儂らではない」
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 死んだ四人の侍たちの墓を見上げ佇む勘兵衛と七郎次。田畑に向かう志乃を追う勝四郎。侍と田畑に新たな風がそよぐ。
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 完